整体・カイロプラクティック

整体院の集客。効果を断定できない前提で、ホームページとMEOをどう組むか

公開日: 2026-08-07

整体院の集客が難しいのは、最も伝えたいこと(症状が良くなること)を断定的に書けないためです。

整体は資格が不要な医業類似行為であり、医療行為ではありません。「治ります」と書けない状態で、体を任せてもらう判断をしてもらう必要があります。

この記事は、制約を先に確認したうえで、手段を5つに整理して着手順を示します。

この記事でわかること

  • 効果を断定できない制約と、その中で選ばれるための書き方
  • 「集客できない」の原因を3段階に切り分ける方法
  • ホームページとGoogleビジネスプロフィールのどちらを先にやるか
  • 5つの集客手段の公式仕様・費用・着手順
  • SNSやMEOを強化するほどポータルに送客する構造と、公式手順での外し方

前提: 書けないことと、書けること

効果の断定は避ける

整体は医業類似行為であり、国家資格を要する医療行為とは区別されます(この区別は整体院の開業に資格が不要な理由で扱っています)。

したがって、次の表現は避けてください。

  • 「治ります」「治療します」「完治」
  • 「◯◯症が改善します」(疾患名を挙げた効果の断定)
  • 医師の診断に相当する説明(「これはヘルニアですね」等)

保険が使えると誤解される表現も避ける

健康保険が使えるのは柔道整復師等の施術に限られます。整体院の施術は対象外です(詳しくは整体院と健康保険の広告上の注意にまとめています)。

「保険適用」「保険が使えます」はもちろん、接骨院・整骨院と誤認される屋号や表記にも注意が要ります。

代わりに書けること

判断材料を厚くする方向に振ります。

  1. 施術で何をするか — 何を見て、どこに、どういう手順で施術するのか
  2. 1回の所要時間と料金
  3. 通う回数の目安と、その考え方 — 断定できなくても「まず3回受けてから状態を見て相談します」という区切りは示せます
  4. どういう方に向くか・向かないか — 向かない条件(医療機関の受診をすすめる場合など)を書くほうが信頼されます
  5. 来院の流れ — 初回の問診から施術、会計までの時間配分

3と4が効きます。「いつまで通うのか分からない」「病院に行くべきか分からない」という不安が、来院を止める最大の要因だからです。

「集客できない」を3段階に切り分ける

段階1: 存在を知られていない

「地域名 整体」で検索して出てこない。

段階2: 知られているが選ばれていない

整体院はここで止まりやすい業態です。止まる原因の典型は次の3つです。

  • 何回通うのか分からない
  • 総額がいくらになるか分からない
  • 何をされるのか分からない(体を任せる不安)

前章の「代わりに書けること」の3・4・5が、そのままこの3つへの答えになります。

段階3: 選ばれたが予約できていない

  • 予約が電話のみで、施術中は出られない
  • 予約リンクが未設定
  • 初回の所要時間が書かれておらず、何時に予約すべきか分からない

段階3は最も安く直せます。まずここから確認してください。

ホームページとGoogleビジネスプロフィール、どちらが先か

Googleビジネスプロフィールが先です。

理由は、ホームページを作っても見つけてもらう経路が要るからです。「地域名 整体」で検索した人が最初に見るのは、Googleの検索結果とGoogleマップに出るプロフィールです。

Googleビジネスプロフィールホームページ
費用無料制作費・維持費
載せられるもの営業時間・写真・口コミ・予約リンク・業種制限なし
見つけてもらいやすさ高い(地図・ローカル検索に出る)検索順位次第
着手の順番1番目2番目

ホームページの価値は、読んで判断してもらう情報を置けることにあります。施術の考え方、来院の流れ、通院回数の目安、向かない条件——プロフィールには書ききれない部分がここに入ります。

つまりプロフィールで見つけてもらい、ホームページで判断してもらうという役割分担です。逆順にすると、良いホームページを作っても人が来ません。

5つの集客手段

手段1: Googleビジネスプロフィール(無料・最優先)

Googleは、ローカル検索結果のランキングについて次のように公表しています。

ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。

出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(2026-08-07取得)

同ページはオーナー確認、情報の充実(住所・営業時間・特別営業時間・業種・属性)、口コミへの返信、写真や動画の追加を推奨しています。また「Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」とも明記しています(出典: 同上)。

「MEO対策で上位表示を保証する」という営業を受けたら、この一文と照らしてください。

手段2: 口コミ(無料・整体院では重い)

整体院は「体を任せる」意思決定であり、他人の経験が判断材料になりやすい業態です。

Googleがランキング改善のヒントとして口コミへの返信を挙げていることに加え、読み手にとっても返信の有無と内容は判断材料になります。

返信で注意すること:

  • お客様が「治った」と書いていても、返信でそれを追認しない
  • 「ご来院ありがとうございました」「お体の状態が楽になられたようで何よりです」といった、体感に留める表現にする
  • 低評価にも返信する。反論せず、事実確認と改善の姿勢を書く

手段3: ホームページ(費用あり・2番目)

前述のとおり、判断材料を置く場所です。最低限置くべきページは次の4つです。

  1. 施術内容と料金(1回あたり・回数券がある場合はその条件)
  2. 来院の流れ(初回の所要時間を含む)
  3. 通院回数の考え方と、向かない場合の案内
  4. アクセス・営業時間・予約方法

3を書ける整体院は多くありません。書けば差別化になります。

手段4: Instagram・SNS(無料)

整体院では、施術中の写真を出しにくいという制約があります。使えるのは次のものです。

  • 院内の様子(清潔感・プライバシーの確保)
  • セルフケアの紹介(自宅でできるストレッチ等)
  • 施術者の人柄が伝わる内容

セルフケアの発信は、効果の断定を避けながら専門性を示せる数少ない切り口です。ただしここでも「これをやれば治る」とは書かないでください。

プロフィールにリンクを1つ置けます。この向き先が後述の構造に直結します。

手段5: ポータルサイト(有料)

ホットペッパービューティーは掲載できる業種に「整体、カイロプラクティック、矯正、リフレクソロジー」等を挙げています(出典: ホットペッパービューティー 掲載・料金・申込み、2026-08-07取得)。掲載費は公開されていません。

判定手順はホットペッパービューティーの掲載料はいくらかに、ポータル依存を減らす考え方は整体院のホットペッパー依存を減らすにまとめています。

見落とされている構造: 集客するほどポータルに送客している

何が起きているか

Googleビジネスプロフィール・Instagram・LINEは、いずれも予約リンクを置ける仕組みです。

ポータルに掲載している院では、これらの向き先がポータルになっていることがあります。自分で設定した場合だけではありません。

Google 検索と Google マップでは、特定のサービスへのリンクがビジネス プロフィールに自動的に表示されることがあります。こうしたリンクは、サードパーティ プロバイダによって提供、更新されるか、Google の自動データに基づいて生成されます。

出典: 同上(2026-08-07取得)

なぜ問題か

院内写真を撮り、口コミに返信し、セルフケアを発信して露出を作る
  ↓
見た人が予約ボタンを押す
  ↓
ポータルの予約ページに飛ぶ
  ↓
ポータル経由の予約として計上され、契約に応じた費用が発生する

整体院は口コミの積み上げに時間がかかるぶん、その成果がポータル経由に流れる損失は大きくなります。

直し方(公式手順)

  1. GBPの優先リンクを設定する — 公式ヘルプは「プロフィールに複数のリンクがある場合は、上部に表示する優先リンクを『ビジネス優先』として設定することができます」としています(出典: 同上、2026-08-07取得)
  2. 不要な第三者リンクの削除をリクエストする — 同ヘルプに「プロバイダを削除」の手順が記載されています
  3. Instagramのプロフィールリンクを自院の予約ページに向ける
  4. ホームページの予約ボタンも自院の予約ページに向ける

ポータルをやめる話ではありません。掲載を続けたままでも、経路の内訳が正しく見えるようになります。年間の差額は損益分岐シミュレーターで試算できます。

自院の予約ページは、当社に限らず自社予約型のサービスであれば何でも構いません。無料枠のあるサービスもあります(美容室の予約システム比較に8サービスの料金と無料枠を並べています。比較対象は整体院にもそのまま当てはまります)。

着手順

やること費用効果が出るまで
1広告表現を見直す(効果の断定・保険の誤認)0円即時(リスク低減)
2予約リンクの向き先を確認・整理する0円即時
3Googleビジネスプロフィールを埋める0円数週間
4料金・所要時間・通院回数の考え方を明記する0円即時
524時間予約を受けられる状態にする0円〜即時
6口コミへの返信を習慣にする(表現に注意)0円数か月
7ホームページを整える(判断材料を置く)制作費数か月
8経路別の予約内訳を3か月記録する0円3か月後に判断材料

ホームページ(7)を後ろに置いているのは、費用がかかるうえ、3が終わっていないと見つけてもらえないためです。

無料でできることの中で、最初の1時間をどう使うか

時間やること
最初の15分既存の文面に効果の断定・保険の誤認が無いかを全ページ・全SNSで確認する
次の10分シークレットモードで「地域名 整体」「自院名」を検索し、何が表示されるかを見る
次の10分Googleマップで自院を開き、予約ボタンの遷移先を確認する
次の15分遷移先がポータルなら、優先リンクの設定と第三者リンクの削除リクエストを行う
最後の10分料金・初回の所要時間・通院回数の考え方がページで読み取れるかを確認する

最初の15分を表現の確認に使うのは、法的なリスクが最も高い部分だからです。

「何回通うか」を書けるようにする

段階2で止まる最大の原因が「何回通うか分からない」であることは前述しました。効果を断定せずにこれを書く方法があります。

書けない例: 「3回で腰痛が改善します」

書ける例:

初回は問診を含めて60分いただきます。その後の通い方は、状態と生活習慣によって変わるため、まず3回受けていただいたうえで、その時点の状態を一緒に確認して今後を相談します。3回でご自身が変化を感じられない場合は、その旨をお伝えください。他の選択肢(医療機関の受診を含む)をご案内します。

この書き方の要点は3つです。

  1. 回数ではなく「区切り」を示す — 効果の約束ではなく、進め方の説明になる
  2. 判断を相手に渡す — 「変化を感じられない場合は」と書くことで、押し売りの印象が消える
  3. 医療機関の受診を選択肢に含める — 医業類似行為である以上、これを書ける院のほうが信頼されます

3を書ける整体院は多くありません。書くことで、効果を断定する競合との差がつきます。

記録が無いと判断できない

「ホームページ 集客」「インスタ 集客」を検討する前に、3か月分の記録を取ってください。

記録する項目なぜ必要か
総予約件数母数
新規/再来の内訳集客の課題か継続の課題かを分ける
経路別(ポータル/自院ページ/Google/電話/紹介)どこを強化すべきかが決まる
初回で終わった人の割合集客を増やす前に潰すべき穴
経路別の費用費用対効果の判定

4つ目を必ず入れてください。初回で半分が終わっている状態で新規を増やしても、費用が増えるだけです。再来の指標は整体院のリピート率にまとめています。

紹介が発生しやすい業態であることを使う

整体院は、症状という具体的な悩みを持つ人が周囲に相談する構造があります。「腰が痛い」という話は日常会話に出やすく、そこで名前が挙がる余地があります。

ただし、紹介は放っておいても発生しません。次の2つを揃えてください。

1. 紹介しやすい一言を渡す

紹介する側が困るのは「どう説明したらいいか」です。効果を保証する言い方はできないので、事実として言える一文を用意します。

「初回は問診を含めて60分で、料金は◯◯円です。予約はここから取れます」

この形なら、紹介する側も効果を保証せずに済みます。

2. その場でURLを送れる状態にする

「知り合いに聞かれたら教えてください」と言うだけでは動きません。その場で予約ページのURLを送ってもらうところまでやります。会計時にQRコードを読み取ってもらい、リンクを保存してもらうのが確実です。

紹介特典を作る場合は、条件を明確に書いてください。紹介した側・された側それぞれに何があるのか、いつ適用されるのかを曖昧にすると、後で説明の手間が発生します。

まとめ

  • 整体院の集客は書けないことの確認から始める。効果の断定と、保険が使えるという誤認を避ける
  • 代わりに施術内容・料金・通院回数の考え方・向かない条件を書いて判断材料を厚くする
  • 「集客できない」は3段階。整体院は段階2(何回・いくら・何をされるか分からない)で止まりやすい
  • Googleビジネスプロフィールがホームページより先。見つけてもらう経路を先に作る
  • 口コミは判断材料として重い。返信で効果の断定を追認しない
  • GBP・Instagram・ホームページはいずれも予約リンクを置ける。向き先がポータルだと自力の集客がポータル経由になる
  • GBPは第三者リンクが自動表示されることがある。優先リンクの設定とプロバイダの削除で整理できる
  • 集客を増やす前に、初回で終わった人の割合を記録する

よくある質問

整体院の集客で何から始めるべきですか?

Googleビジネスプロフィールです。無料で、「地域名+整体」で検索した人を受け止められます。ホームページを先に作りたくなりますが、そのホームページを見つけてもらう経路がGoogle検索とGoogleマップなので、先にプロフィールを整えるほうが早く効きます。

ホームページは必要ですか?

あると有利ですが、優先順位は2番目です。Googleビジネスプロフィールだけでも予約リンク・写真・営業時間・口コミは載せられます。ホームページの価値は、施術の考え方や来院の流れといった「読んで判断してもらう情報」を置ける点にあります。

広告に効果を書いてはいけないのですか?

整体は資格が不要な医業類似行為で、医療行為ではありません。治る・治療といった表現や、医師の診断に相当する説明は避けてください。また健康保険が使えるのは柔道整復師等の施術に限られるため、保険が使えると誤解される表現も避ける必要があります。

口コミはどれくらい重要ですか?

Googleはローカル検索結果のランキング改善のヒントとして口コミへの返信を挙げています。整体院は「体を任せる」意思決定であり、他人の経験が判断材料になりやすい業態です。ただし口コミの内容に効果の断定が含まれていても、店側の返信でそれを追認する書き方は避けてください。

SNSを頑張るとポータルサイトに送客してしまうというのは本当ですか?

予約リンクの向き先次第です。Googleビジネスプロフィールは第三者の予約リンクが自動的に表示されることがあると公式ヘルプに明記されています。優先リンクの設定とプロバイダの削除で整理できます。

集客できないときは何を疑えばいいですか?

順に3つです。存在を知られていない、知られているが選ばれていない、選ばれたが予約できていない。整体院は「何回通うのか」「いくらかかるのか」が分からず段階2で止まりやすい業態です。