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ホットペッパービューティーの掲載料はいくらか。公開情報で分かること・分からないことと、損益分岐点の出し方

公開日: 2026-08-05

「ホットペッパービューティーの掲載料はいくらか」を調べると、金額を書いたページがいくつも出てきます。ただ、公式サイトを開いても金額は書かれていません。それらの数字がどこから来たものなのかは、記事ごとに出典を確認する必要があります。

この記事では、公式サイトを実際に開いて確認できたことだけを先に示します。そのうえで、金額が分からなくても「今払っている額が高いのか安いのか」を判定できる計算手順を書きます。判定に必要なのは相場ではなく、自店の数字です。

公式サイトに書かれていること(2026-08-05 実確認)

ホットペッパービューティーの掲載を検討する事業者向けの公式ページ(掲載・料金・申込み)を実際に開いて確認しました。

そのページのFAQには「掲載費はいくらですか?」という設問があり、回答はこうです。

ご希望のエリアやプランによって異なります。詳しくはお問い合わせください。

金額は書かれていません。プラン名も、その価格帯も、初期費用の有無も、掲載されていません。同ページの申込みの流れは「お申し込み → 担当者とお打ち合わせ・契約確定 → 原稿の打ち合わせ・確認掲載」となっており、金額は担当営業との個別のやりとりで決まる構造になっています。

同じページで金額以外に確認できたのは次の情報です(いずれも同ページ記載・2026-08-05取得)。

項目数値注記
ヘアサロン掲載店舗数67,000店以上リクルート調べ・2026年4月時点
リラク・エステなど掲載店舗数108,000店以上同上
ヘアサロン年間ネット予約数1.2億件以上2025年4月1日〜2026年4月1日の予約受付総数
リラク・エステなど年間ネット予約数8,400万件以上同上
ヘアサロンの3席以下店舗割合約35%リクルート調べ・2026年6月時点
リラク・エステなどの3席以下店舗割合約70%同上
ヘアサロン口コミ件数1,097万件以上リクルート調べ・2026年4月時点

集客規模については具体的な数値が公開されている一方で、費用だけが非公開、というのが公開情報の状態です。

なぜ「相場」を調べても答えが出ないのか

金額が非公開である以上、外部の記事に載っている「相場◯万円」は、次のいずれかです。

  • 誰かが自分の見積もりを公開したもの(そのサロンのエリア・プランの数字)
  • 複数の伝聞を集めて幅で示したもの
  • 出どころが書かれていないもの

一つ目は事実ですが、それはそのサロンの条件での金額です。公式FAQが「ご希望のエリアやプランによって異なります」と書いているとおり、条件が変われば金額も変わります。渋谷のヘアサロンと地方都市のネイルサロンで同じ額になる前提のほうが不自然です。

したがって、相場を知っても自店の判断材料にはなりません。代わりに使えるのは、次の2つだけです。

  1. 自店の見積書に書かれた実額(これが唯一の確実な数字)
  2. その実額が、自店の売上構造に対して見合っているかの計算

1は問い合わせれば分かります。この記事の残りは、2の計算方法です。

ただし「桁」を知りたい人のために——他社が公表しているレンジ

「見積もりを取るのが正しい」と分かっていても、その前におおよその桁を知っておきたいというのが実際のところだと思います。当方が推測値を出すことはしませんが、金額のレンジを公表している事業者の記事があるので、出典を明示して引用します。

サロン向け予約システムを提供する株式会社リザービアは、自社の記事でプラン別の月額掲載料の「目安」として次の金額を示しています。

プラン名月額掲載料(目安)
ライトSプラン約3万円〜5万円
ライトプラン約5万円〜8万円
スタンダードプラン約8万円〜15万円
プレミアムプラン約15万円〜25万円以上
プラチナプラン約25万円〜(地域差大)

出典: リザービア「ホットペッパービューティーの掲載料金は?プラン別費用と乗り換え事例を解説」(2026-08-05取得)

同記事は「上記は目安額です。エリア・競合数・オプション選択によって料金は大きく変動します」と注記したうえで、掲載料以外にネット予約手数料・ポイント負担・有料オプションがかかり、実際の月次コストが掲載料の1.5〜2倍になるケースもあるとしています。

この数字の扱い方について、3点はっきりさせておきます。

  1. これは公式発表ではありません。リクルートが公表した金額ではなく、同社が自社の記事で示した目安です。前述のとおり、公式サイトには金額の記載がありません
  2. 同社の別記事とプラン構成が一致しません。同社の解約に関する記事(2026-08-05取得)では、プランを「プラチナ・バリュープラン」「シンプルプラン」「ライト・ライトSプラン」の3つとしています。上表は5プランです。同じ会社の記事の中でも構成が違うということは、外部から見えている情報がその程度の精度だということです
  3. したがって、これは「桁を掴む」ためだけに使ってください。自店の見積もりの妥当性をこの表で判断することはできません

最終的に使えるのは、自店の見積書に書かれた実額だけです。上の表を見て「思ったより高い/安い」と感じたとしても、それは判断材料ではなく、問い合わせるきっかけにすぎません。次章の8項目を持って見積もりを取ってください。

掲載料が「高い」かどうかを判定する計算

判定の考え方はシンプルです。広告費で獲得した新規客から得られる粗利が、その広告費を上回っているか。それだけです。

ステップ1: 月額の総コストを出す

掲載費だけでなく、予約1件ごとの手数料がある場合はそれも含めます。

月額総コスト = 月額掲載費 +(予約1件あたりの手数料 × 月間予約件数)

手数料が定額でなく施術金額に対する率で決まる場合は、次のようになります。

月額総コスト = 月額掲載費 +(手数料率 × 平均客単価 × 月間予約件数)

ここで、自分の契約がどちらなのかを必ず確認してください。掲載費だけを見て「月◯万円」と認識していて、手数料を計算に入れていないケースがあります。手数料は件数に比例するので、繁忙月ほど効いてきます。

ステップ2: 新規1人あたりの獲得コスト(CPA)を出す

CPA = 月額総コスト ÷ 月間の新規来店客数

分母は「予約件数」ではなく新規来店客数です。リピーターがポータル経由で予約している分は、広告費で獲得した客ではありません(すでに自店を知っている人です)。ここを混ぜると、CPAが実際より良く見えます。

新規とリピートの内訳が分からない場合は、まずそれを記録するところから始めてください。この内訳が分からないままだと、以降の計算はすべて成立しません。

ステップ3: 新規客1人あたりの粗利を出す

初回粗利 = 平均客単価 ×(1 − 材料費率)

材料費率は、カラー・パーマ中心か、カット中心かで変わります。自店の仕入れ額 ÷ 売上で出してください。人件費を引くかどうかは、一人サロンか雇用があるかで扱いが変わります。一人サロンの場合、施術時間は他の予約に使えたはずの時間なので、機会費用として意識しておく必要があります。

ステップ4: 3つの水準で判定する

水準A: CPA < 初回粗利

初回の来店だけで広告費を回収できています。この状態なら、掲載費が高いかどうかを悩む必要はありません。むしろ増やす検討ができます。

水準B: 初回粗利 < CPA < 生涯粗利

初回では赤字だが、リピートすれば回収できる状態です。ここが判断の分かれ目になります。回収に必要な来店回数はこうなります。

回収に必要な来店回数 = CPA ÷ 1回あたりの粗利

たとえばCPAが12,000円、1回あたり粗利が4,000円なら、3回来てもらえれば回収できます。そこで実際に新規客が平均何回来ているかを測ります。3回以上来ているなら成立、1回で終わっているなら成立していません。

この「新規客が2回目に来る率」は、掲載費の交渉より先に手を入れるべき数字です。CPAを1割下げるより、リピート率を上げるほうが効きます。

水準C: 生涯粗利 < CPA

何回来てもらっても回収できない状態です。プランの見直しか、掲載の縮小・停止の検討に入ります。

ステップ5: 他の選択肢と並べる

判定できたら、同じ計算式に別の条件を入れて比較します。「掲載を続ける」「プランを下げる」「自社の予約システムに切り替える」で、年間コストがどう変わるか。

この比較を入力するだけで出せる損益分岐シミュレーターを用意しています。現在の掲載費・予約件数・手数料・平均客単価を入れると、年間の差額と「その差額が客数に換算すると何人分か」まで出ます。金額の大小を感覚で議論するより、差額が具体的な客数に換算されるほうが判断しやすいはずです。

見積もりを取るときに聞いておく8項目

金額を知る唯一の方法は問い合わせることですが、「月いくらですか」とだけ聞くと、月額だけを聞いて終わってしまいます。総額を確定させるには、次の8項目を揃える必要があります。打ち合わせの前にこのままメモに写して、その場で埋めてください。

#質問すること埋まらないと何が起きるか
1月額の掲載費(税抜/税込のどちらか)税込換算を忘れて年間で1割弱ずれる
2初期費用・登録料・原稿制作費の有無初月だけ想定を超える
3予約1件あたりの手数料の有無と、その計算方法件数が伸びるほど総額がずれる
4手数料の対象(新規のみか、リピート予約も対象か)常連の予約にも費用がかかっていることに気づかない
5最低契約期間「合わなければ数か月でやめる」が成立しない
6自動更新の有無と、更新拒絶の通知期限期限を過ぎて1期間分伸びる
7中途解約の可否と精算方法残期間の一括請求が発生しうる
8支払いサイクル・締め日・支払日資金繰りの見込みが崩れる

3と4は特に抜けやすい項目です。月額だけを比較して安いと判断したのに、手数料を含めた実額では逆だった、ということが起こります。手数料がある場合は、必ず「月◯件のときの総額はいくらになりますか」と、自店の実際の件数を入れた金額で答えをもらってください。件数を入れた総額を出してもらえば、後の計算がそのまま使えます。

5〜7は解約時に効いてくる条件です。契約する時点では意識しにくいのですが、この3つを契約前に紙で受け取っておくかどうかで、やめたくなったときの選択肢の幅が変わります。口頭の説明だけで済ませず、申込書または契約書のどこに書かれているかを指し示してもらうのが確実です。

「値上げされた」と言われたときに確認すること

改定の連絡を受けたとき、確認すべきは金額そのものではなく、その改定がどういう根拠で行われているかです。

個別の契約書で金額が定まっている場合

契約書に金額が明記されているなら、その変更には原則として双方の合意が必要です。「次回更新から新料金」という提案であれば、それは更新するかどうかの判断材料であって、一方的に確定するものではありません。更新拒絶の通知期限(解約手順の記事で詳述しています)を確認したうえで、受け入れるか更新しないかを選ぶことになります。

約款によって定まっている場合

約款で金額や改定の手続きが定められているケースでは、民法の定型約款の変更の規定が関係します。民法第548条の4第1項は、次のいずれかに当たる場合に個別の合意なく契約内容を変更できると定めています(e-Gov法令検索・民法、2026-08-05取得)。

一 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。 二 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。

そして同条第2項・第3項により、変更するときは効力発生時期を定め、変更する旨・変更後の内容・効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法で周知しなければならず、第1項第2号による変更は、効力発生時期までに周知しなければ効力を生じません

実務上確認すべきは次の3点です。

  1. 改定の根拠となる条項はどれか
  2. 効力発生時期はいつと定められているか
  3. その効力発生時期の到来前に周知が行われたか

3が満たされていない改定は、条文上は効力を生じません。「知らないうちに上がっていた」と感じたときは、まずこの3点を書面で確認してください。

支払い方法について

公式の掲載・料金ページには、支払い方法(口座振替・請求書払い・カード決済の可否、支払いサイクル、締め日と支払日)についての記載もありません(2026-08-05確認)。契約前の打ち合わせで確認すべき項目に含めてください。

とくに確認しておきたいのは次の2点です。

  • 支払いサイクルと締め日(キャッシュフロー計画に直結します)
  • 解約した月の費用がどう精算されるか(日割りか、その月まで満額か)

2点目は解約を検討する段になって初めて効いてくる条件です。契約時点で確認して記録しておくと、後で調べ直す手間がなくなります。

掲載費を下げる交渉の前にやること

金額の交渉は最後の手段です。その前に、次の3つを数字で押さえてください。この3つが分かっていないと、交渉のテーブルで何を主張していいかも分かりません。

1. 予約の内訳を毎月記録する

  • 総予約件数
  • そのうち新規/リピート
  • 経路別(ポータル経由/自店の予約ページ/電話/店頭)

記録は表計算でも構いません。重要なのは毎月同じ形式で残すことです。3か月分あれば傾向が見え、6か月分あれば季節変動と切り分けられます。

2. 新規客のリピート率を測る

「新規で来た人のうち、90日以内に2回目に来た人の割合」を出します。前述のとおり、この数字が水準Bの判定を左右します。

3. 自店の導線の取りこぼしを埋める

店名で検索した人すでに来店したことがある人は、広告費を払わなくても取れる層です。この2つを取りこぼしたままポータルに費用を払っていると、コストが実際より高く出ます。

  • Googleビジネスプロフィールに予約リンクを登録する
  • 会計時に次回予約を取る(またはその場で予約ページをブックマークしてもらう)
  • 店内・名刺・レシートにQRコードを置く

ここを埋めてからポータル経由の件数を測り直すと、「ポータルがなければ来なかった客」だけが残ります。その残った数字こそが、掲載費の対価として評価すべき対象です。

競合が増える業界で、固定費を測る意味

日本政策金融公庫の創業支援サイトによると、厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」の集計で美容所の数は269,889軒、新規出店数は14,934軒、統計データから逆算した閉鎖・廃業は9,268軒とされています。また同ページは、経済産業省「第3次産業活動指数」を引いて、コロナ禍を経て理容業は早い回復を示す一方で美容業は回復が遅れていることが指摘されている、と述べています(出典: 日本政策金融公庫「理容業・美容業の創業ポイント」、2026-08-05取得)。

軒数が増え、回復が遅れている状況では、集客の単価は上がりやすくなります。だからこそ、「いくら払っているか」ではなく「いくら払って、いくら戻ってきているか」を測る習慣が要ります。測っていれば、値上げの連絡が来たときも、受け入れるか断るかを感覚ではなく計算で決められます。

まとめ

  • ホットペッパービューティーの掲載料は公式サイトに掲載されていない(2026-08-05確認)。FAQの回答は「エリアやプランによって異なる」
  • したがってネット上の「相場」は自店の判断材料にならない。使えるのは自店の見積書の実額だけ
  • 高いかどうかは、CPA(新規1人あたり獲得コスト)と粗利の比較で判定できる
  • 判定は3水準。初回で回収できるか/リピートで回収できるか/回収できないか
  • 値上げの連絡を受けたら、根拠条項・効力発生時期・周知の3点を確認する(民法第548条の4)
  • 交渉より先に、予約の内訳・新規客のリピート率・自店導線の取りこぼしを埋める

金額が分からないことは、判断できないことを意味しません。判断に必要な数字は、自店の中にあります。

実際の差額は損益分岐シミュレーターで計算できます。解約を具体的に検討する段階に入ったら、ホットペッパービューティーの解約手順と違約金もあわせてご覧ください。

よくある質問

ホットペッパービューティーの掲載料はいくらですか?

公式サイトには金額が掲載されていません。掲載・料金ページのFAQでは「ご希望のエリアやプランによって異なります。詳しくはお問い合わせください」と回答されています(2026-08-05確認)。金額を知る方法は問い合わせて見積もりを取ることだけです。

ネットに出ている「相場◯万円」は信用できますか?

自店の判断材料にはなりません。公式FAQが「エリアやプランによって異なる」と明記しているとおり、条件が変われば金額も変わるためです。桁を掴む目的で他社が公表しているレンジを参照することはできますが、公式発表ではない点に注意してください。

掲載料が高いかどうかはどう判断すればいいですか?

CPA(月額総コスト÷月間の新規来店客数)と、新規客1人あたりの粗利を比べます。初回の粗利でCPAを回収できていれば水準A、リピートすれば回収できるなら水準B、何回来ても回収できないなら水準Cです。分母は予約件数ではなく新規来店客数を使ってください。

見積もりを取るときに何を聞けばいいですか?

月額掲載費(税抜/税込)、初期費用・原稿制作費の有無、予約1件あたりの手数料と計算方法、手数料の対象(新規のみかリピートも含むか)、最低契約期間、自動更新の有無と更新拒絶の通知期限、中途解約の可否と精算方法、支払いサイクルと締め日の8項目です。

値上げの連絡が来ました。受け入れるしかありませんか?

まず改定の根拠条項・効力発生時期・周知が効力発生前に行われたかの3点を書面で確認してください。契約書に金額が明記されている場合、変更には原則として双方の合意が必要です。約款による変更の場合、民法第548条の4第3項により、効力発生時期までに周知しなければ効力を生じません。