鍼灸院・接骨院

鍼灸接骨院開業までの7ステップ——資格取得は開業準備の『ステップ0』

公開日: 2026-07-22

これまで解説してきたネイル・まつエク・アイブロウ・整体・リラクゼーションは、いずれも開業を決めてから数週間〜数ヶ月の準備で開業できる業態でした。鍼灸接骨院はこの前提が異なります。別記事で解説したとおり、国家資格の取得自体に数年単位の準備期間が必要になるためです。この記事では、資格取得を含めた7ステップを整理します。

ステップ0: 国家資格の取得——他業種と違う準備期間

はり師・きゅう師・柔道整復師のいずれかの国家資格は、指定された養成施設での修業が前提です。

修業年限は、三年以上であること。

出典: 厚生労働省 柔道整復師学校養成施設指定規則(2026-07-22取得)

すでに資格を取得済みの方はこのステップは完了していますが、これから資格取得を目指す方は、養成施設での修業期間・学費を、事業所開業の資金計画とは別枠で準備しておく必要があります。

ステップ1: 事業計画・開業する業態の確認

はり師・きゅう師として鍼灸院を開業するか、柔道整復師として接骨院・整骨院を開業するかで、扱える施術範囲が変わります。日本政策金融公庫の資料は、両者の業務を次のように整理しています。

はり師は身体のツボをはりで刺激し、きゅう師はツボをきゅうで暖めることで、人間の自然治癒力を活性化させて病気を治療する。(中略)柔道整復師は、スポーツや日常生活の中で生じた、打撲、捻挫、脱臼及び骨折などの各種損傷に対して、(中略)手を用いた応急的若しくは医療補助的方法により、その回復を図る。

出典: 日本政策金融公庫 はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所の創業ポイント(2026-07-22取得)

ステップ2: 資金計画

別記事で解説したとおり、事業所開設の費用は300万円〜800万円が目安です。資格取得の投資とは別枠で、この金額を見積もります。

ステップ3: 物件・立地選び

保健所への開設届に必要な平面図(施術室・待合室の寸法・採光換気・消毒設備の位置等)を満たせる物件かどうかを、内装業者・保健所に事前相談しておきます。

ステップ4: 届出・許認可の確認

事業所の開設にあたっては、保健所への届出が必要です。

「はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」を開業するには、施設開設後10日以内に管轄の保健所に「開設届」を提出します。

出典: 日本政策金融公庫 はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所の創業ポイント(2026-07-22取得)

ステップ5: 受領委任(保険請求)の準備

別記事で解説したとおり、保険施術を扱う場合は「受領委任制度」の届出が必要で、施術管理者としての実務経験年数の要件があります。開業前にこの要件を満たしているかを確認し、保険施術・自費施術のメニュー区分をどう設計するかを検討しておきます。

ステップ6: 設備・集客・予約の準備

施術用ベッド・機器等の設備を整えながら、集客導線も準備します。

  • Googleビジネスプロフィールの登録・整備
  • 保険施術・自費施術を分かりやすく区分したメニュー表の準備
  • 予約システムの導入

別記事で解説したとおり、あはき師法・柔整師法の広告規制により技能・実績を広告できないため、口コミ・紹介が集客の柱になります。予約システムを導入しておけば、開業初日から電話を取り逃さずに予約を受けられる体制を整えられます。無料アカウントを登録しておけば、開業準備と並行して予約ページを準備しておくことができます。

ステップ7: 開業

保健所への開設届提出、受領委任の届出、予約ページの公開を終えたら開業です。

まとめ

鍼灸接骨院の開業準備は、国家資格の取得という他業種にはない準備段階から始まります。資格取得後は、事業所の資金計画・物件選び・保健所届出・受領委任の準備・設備と集客の準備という流れで進めます。開業費用の詳細シミュレーションは損益分岐シミュレーターで確認でき、料金プランから予約システムの導入も検討いただけます。