リラクゼーション・もみほぐし店は、別記事で解説した整体院と同じく、資格不要で開業できる業態です。ただし、店名・広告表現には固有の制約があり、これを開業準備のどの段階で確定させるかが、無駄な出費を避けるポイントになります。
ステップ1: 資格の確認——「マッサージ」は名乗れない
リラクゼーション店の施術自体に国家資格は不要ですが、厚生労働省は「マッサージ」という言葉の扱いについて次のように明示しています。
医師以外の方が、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の施術所等において、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう及び柔道整復を業として行おうとする場合には、(中略)あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を、(中略)受けなければならないと規定されており、無免許でこれらの行為を業として行ったものは、同法により処罰の対象になります。
出典: 厚生労働省 無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について(2026-07-22取得)
施術自体は資格不要でも、「マッサージ」という言葉を無資格で広告に使うと、有資格者による施術との誤認を招くおそれがあります。開業準備の最初の段階で、この制約を理解しておく必要があります。
ステップ2: 店名・ブランディングの決定——このタイミングで固める
別記事で解説したとおり、「マッサージ」を含まない店名(もみほぐし・リラクゼーション・ボディケア等)を選ぶことが望ましいとされています。都道府県ごとに指導内容が異なる可能性がある点にも注意が必要です。
あはき法第1条に基づく免許を受けず無資格で、あん摩、マッサージ又は指圧を業として行っている施設において「マッサージ」等と広告することについては、(中略)公衆衛生上も看過できないものであるので、兵庫県ではこのような広告を行わないよう指導しています。
出典: 兵庫県 無資格者によるあん摩マッサージ指圧等について(2026-07-22取得、厚生労働省見解を引用)
看板・ロゴ・販促物を作った後に店名変更が必要になると、その分の費用が余分にかかります。物件契約・内装工事より前の、開業準備のごく初期段階で店名を確定させておくことが、無駄な出費を避けるポイントです。
ステップ3: 資金計画
別記事で解説したとおり、リラクゼーション店は保健所への届出も不要なため、これまで解説してきた業種の中でも設備投資は最小規模に収まりやすい業態です。日本政策金融公庫の理容業・美容業向け資金分類を参考に見積もります。
ステップ4: 物件・立地選び
保健所の設備基準が適用されないため、施術用ベッド・リクライニングチェアを置けるスペースを確保できれば開業できます。
ステップ5: 届出・許認可の確認
整体院と同様、リラクゼーション店は美容室・理容室のような「美容所・理容所」としての保健所届出の対象外です。個人事業主としての開業届、従業員を雇用する場合の労働保険加入手続きなど、一般的な事業開始の手続きを確認します。
ステップ6: 設備・集客・予約の準備
施術用ベッド・アロマオイル等の準備と並行して、ステップ2で確定させた店名で集客導線を整備します。
- Googleビジネスプロフィールの登録・整備(ステップ2で決めた店名で統一)
- SNSでの発信開始
- 予約システムの導入
予約システムは、開業初日から電話を取り逃さずに予約を受けられる体制を整えておく重要な準備項目です。無料アカウントを登録しておけば、開業準備と並行して予約ページを準備しておくことができます。
ステップ7: 開業
店名・広告表現の確認、設備の準備、予約ページの公開を終えたら開業です。オプションメニューの設計については、客単価向上の記事も参考にしてください。
まとめ
リラクゼーション店の開業準備は、整体院と同じく資格・届出が不要な低いハードルの業態ですが、「マッサージ」を名乗れないという固有の制約があります。この制約を踏まえた店名・ブランディングを開業準備のごく初期段階で確定させておくことが、看板作り直し等の無駄な出費を避けるポイントです。開業費用の詳細シミュレーションは損益分岐シミュレーターで確認でき、料金プランから予約システムの導入も検討いただけます。