マッサージ・リラクゼーション

リラクゼーション店は『マッサージ』と名乗れない——あん摩マッサージ指圧師との違い

公開日: 2026-07-20

「もみほぐし」「ボディケア」といった店名は目にしても、「マッサージ店」という看板をあまり見かけないことに気づいたことはないでしょうか。これは偶然ではなく、法律上の理由があります。この記事では、リラクゼーション業がなぜ「マッサージ」という言葉を使えないのかを、公式情報にもとづいて解説します。

「マッサージ」は国家資格の名称に含まれる言葉

厚生労働省は、あん摩・マッサージ・指圧を業として行うには、あん摩マッサージ指圧師の免許が必要であると明示しています。

医師以外の方が、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の施術所等において、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう及び柔道整復を業として行おうとする場合には、(中略)あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を、(中略)受けなければならないと規定されており、無免許でこれらの行為を業として行ったものは、同法により処罰の対象になります。

出典: 厚生労働省 無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について(2026-07-20取得)

一方で、リラクゼーション・もみほぐし店の開業自体には、整体・カイロプラクティックと同様に国家資格は必要ありません(別記事「整体院・カイロプラクティックは資格がなくても開業できる、その正確な意味」で解説した「医業類似行為」の枠組みに含まれます)。

無資格の店が「マッサージ」と広告してはいけない理由

資格がなくても施術自体はできるのに、なぜ「マッサージ」という言葉の広告使用が問題になるのでしょうか。兵庫県が公開している公式情報には、その理由が明記されています。

あはき法第1条に基づく免許を受けず無資格で、あん摩、マッサージ又は指圧を業として行っている施設において「マッサージ」等と広告することについては、同施設において適法なあん摩マッサージ指圧が行われていると一般の方が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので(厚生労働省の見解)、兵庫県ではこのような広告を行わないよう指導しています。

出典: 兵庫県 無資格者によるあん摩マッサージ指圧等について(2026-07-20取得、厚生労働省見解を引用)

つまり問題は「施術の質」ではなく、「マッサージ」という言葉がお客様に「有資格者による適法な施術」だと誤解させてしまうことにあります。この見解は厚生労働省のものとして兵庫県のページで紹介されており、他の都道府県も同種の周知ページを公開しています。指導内容の詳細は自治体によって異なる可能性があるため、開業予定地の都道府県・保健所に、広告表現について事前に確認しておくと安心です。

「もみほぐし」「ボディケア」という店名が多い理由

こうした背景から、無資格で営業するリラクゼーション業では、「マッサージ」を含まない店名・メニュー名を選ぶことが、誤認防止の観点から望ましいと考えられます。

  • もみほぐし
  • リラクゼーション
  • ボディケア
  • 整体(ただし「医業類似行為」としての整体であり、柔道整復とは異なる点は別記事参照)

これらの言葉自体に法律上の定義があるわけではありませんが、「マッサージ」を避けることで、有資格者による施術との混同を防ぐ効果があります。

広告表現をチェックするポイント

  • 店名・メニュー名に「マッサージ」を含めない
  • チラシ・SNS・予約ページの文言でも同様に「マッサージ」を避ける
  • 「オイルマッサージ」「フェイシャルマッサージ」のように一部業態で慣用的に使われる表現も、無資格の施設では避けるのが安全
  • 判断に迷う表現がある場合は、開業予定地の保健所・都道府県の担当課に確認する

まとめ

リラクゼーション業は資格不要で開業できる一方、「マッサージ」という言葉の広告使用は、有資格者による施術との誤認を防ぐ観点から避けるべきとされています。これは施術の良し悪しではなく、言葉が持つ意味の問題です。次回は、この制約を踏まえたメニュー名・広告表現の具体的な工夫について解説します。