理容室・バーバー

理容室の20〜30代男性離れと、フェードスタイルという突破口

公開日: 2026-07-20

理容室の主な利用者は中高年男性に偏っており、若年層の取り込みは業界共通の課題とされています。この記事では、この現状を公的データで確認し、対策の方向性を解説します。

20〜30代男性の理容室利用率は低い

厚生労働省のマニュアルが引用する消費者調査は、年代による利用率の差を次のように示しています。

理容室の主な利用者は男性(40代以上) 理容室は主に男性が利用しており、女性の利用はわずかでした。40-70代男性は半数程度が理容室を利用しています。しかし、20-30代男性は3割と利用が少なくなっています。

出典: 厚生労働省 収益力の向上に向けた取組みのヒント 理容業編(消費者調査、2026-07-20取得)

40代以上と比べ、20〜30代の利用率は明確に低い水準にあります。同じ調査では、若年層が店を選ぶ基準が中高年層と異なることも示されています。

60-70代男性は、入店後の待ち時間が少ないことで利用するお店を決めている傾向があります。一方、20-30代男性は、待ち時間を気にするよりも、スタッフや客層の雰囲気、店内の清潔さや快適さを求める傾向にあります。

出典: 同上(2026-07-20取得)

フェードスタイルという世界的トレンド

同マニュアルは、若年層集客の切り口として、フェードカットに代表される「Barberスタイル」を挙げています。

グラデーションが効いた刈り上げスタイル(フェード)を特徴とする「Barberスタイル」は、髪だけでなくファッション・文化に広がりを持つ世界的なトレンドで、メンズヘアの新定番です。若いお客様の集客には、新しい調髪技術の修得、多様なヘアスタイルの提案、SNSを活用した情報発信が求められています。

出典: 同上(2026-07-20取得)

フェードスタイルは、従来の理容室が得意としてきた「総合調髪」の技術を土台にしながら、若年層に訴求しやすいスタイルとして位置づけられています。新しい技術をゼロから習得するというより、既存の技術に若年層向けのスタイル提案を加える発想に近いといえます。

情報源としてのインターネット・SNS

若年層は、来店するお店を検討する際の情報源も中高年層と異なります。

20-30代の男性では「インターネットの店舗検索サイト」、「お店のホームページ・SNS」や「スマートフォンで見られる地図」を参照とする傾向がみられました。若年層客を取り込むためには、インターネット上での情報提供が重要です。

出典: 同上(2026-07-20取得)

フェードスタイルの施術例をSNSで発信することは、技術力を視覚的に伝える手段であると同時に、若年層が実際に情報収集で使うチャネルに直接アプローチする手段でもあります。

施術例をSNSに投稿する際、お客様の顔が写る場合は本人への配慮も必要です。

一般的に、本人を判別可能な写真の画像は個人情報には該当しますが、個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)ではないと解されるため、あらかじめ本人の同意を得ずに展示等を行っても、法第27条第1項に違反するおそれはないと解されますが、利用目的を通知又は公表することは必要です(法第21条第1項)。なお、プライバシーの権利や肖像権の侵害に当たる場合もあるため、例えば展示期間を限定したり、不特定多数の者への提供に際しては自主的に本人の同意を得る等の取組が望ましいと考えられます。

出典: 個人情報保護委員会 会社の行事で撮影された写真などを、当社内で展示する場合、写真に写っている本人からあらかじめ同意を得る必要がありますか。(2026-07-22取得)

フェードスタイルは仕上がりのシルエットが伝わりやすい後ろ姿・横顔のアングルでも十分に魅力を伝えられるため、顔全体を写さない構図を基本にしておくと、SNS発信と配慮の両立がしやすくなります。

予約のハードルを下げる

待ち時間より雰囲気や清潔さを重視する20〜30代にとって、「今から行っても待たされるかもしれない」という不確実性は来店の妨げになりえます。オンライン予約で空き時間を確認してから来店できる仕組みは、この年代が情報収集に使う手段(ネット・SNS)と自然に接続できる導線でもあります。料金の分かりにくさ・現金のみ対応も同じ年代が敬遠する理由として調査に表れており、あわせて見直すと効果的です。

まとめ

理容室の若年層利用率の低さは公的データで確認できる課題です。フェードスタイルという世界的トレンドへの対応と、SNSでの情報発信、オンライン予約の整備を組み合わせることが、厚生労働省のマニュアルが示す現実的な対策です。