理容室・バーバー

『料金がわかりにくい』『現金のみ』——理容室が敬遠される理由と対策

公開日: 2026-07-20

「入りにくい」と感じられる理容室には、共通する理由があります。この記事では、厚生労働省の消費者調査データにもとづいて、お客様が来店をためらう具体的な理由と、その対策を整理します。

敬遠される理由の1位は「清潔感がない」、2位は「料金がわかりにくい」

厚生労働省のマニュアルが引用する消費者調査は、来店をためらう理由を次のように示しています。

清潔感がない、料金がわかりにくいお店は敬遠される どのようなお店に行きづらいと感じるかについては、「清潔感がない」が最も多く、「料金がわかりにくい/目安がわからない」が次いで多い結果となりました。

出典: 厚生労働省 収益力の向上に向けた取組みのヒント 理容業編(消費者調査、2026-07-20取得)

料金がわからないという不安は、初めて訪れるお客様にとって特に大きな心理的ハードルになります。オンライン予約のメニュー選択画面に、各メニューの料金を明記しておくことは、この不安を来店前に解消する直接的な対策です。

20〜30代は「現金のみ」も敬遠理由に

年代によって敬遠する理由には違いがあります。

20-30代男性は、「現金のみしか使えない」ことで行きづらさを感じているため、クレジットカード等の利用環境を整えることも重要になります。60-70代男性は、「清潔感がない」と「設備が古い」ことで行きづらさを感じています。

出典: 同上(2026-07-20取得)

若年層は現金を持ち歩く習慣自体が薄れている世代であり、キャッシュレス決済に対応していないこと自体が来店の妨げになりえます。年配層は清潔感・設備の古さを気にする傾向があり、対策の優先順位は客層によって変わります。20〜30代男性の理容室離れは、料金や決済方法の分かりにくさという入口の課題とも重なっています。

初めて行くお店を選ぶ基準

初めて店を選ぶ際、立地の良さに加えて料金やスタッフの評判も判断材料にされています。

初めて行くお店を選ぶ際、男性は、立地条件だけでなく、料金やスタッフの経歴も気にしている 初めて行くお店を選ぶ条件として、男性では「自宅や職場・学校からの行きやすさ」を条件とする人が多いが、「料金が手ごろである/高すぎない」や「スタッフの経歴・評判」も条件とする人が多くいました。料金、スタッフの経歴は、お店の外からでも分かるように情報を表示したり、インターネットで検索すれば情報が得られる等の工夫が必要です。

出典: 同上(2026-07-20取得)

対策: 予約段階での情報開示

これらの調査結果を踏まえると、来店前の情報開示を充実させることが共通する対策になります。

  • オンライン予約のメニュー選択画面に、料金を明記する
  • 対応している決済方法(現金のみか、キャッシュレスに対応しているか)を予約ページに明示する
  • スタッフの経歴・得意分野の紹介を予約ページに掲載する

表示した料金と実際の請求額を一致させる

料金を明記する際は、表示した金額と実際の会計額が食い違わないようにする必要があります。消費者庁は、比較対照価格を用いる表示について次のような考え方を示しています。

同一の商品について「最近相当期間にわたって販売されていた価格」を比較対照価格とする場合には、不当表示に該当するおそれはありません。同一の商品について「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえない価格を比較対照価格に用いる場合には、当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるかなどその内容を正確に表示しない限り、不当表示に該当するおそれがあります。

出典: 消費者庁 二重価格表示(2026-07-22取得)

「カット◯◯円〜」のように「〜」を付けて下限価格だけを大きく見せ、実際にはオプション込みの高い金額しか案内しないような運用は、不当表示に問われるおそれがあります。予約ページに表示する金額は、追加料金が発生する条件とあわせて明記しておくことが、この観点でも安全です。

まとめ

理容室が敬遠される理由は、「清潔感」「料金の分かりにくさ」「現金のみ対応」など、来店前に解消できるものが多く含まれています。オンライン予約の段階で料金・決済方法・スタッフ情報を開示することは、こうした不安をあらかじめ取り除く実務的な対策になります。