理容室・バーバー

理容室の開業費用——『理容師免許』は美容師とは別の資格、市場環境も異なる

公開日: 2026-07-22

理容室の開業費用は、美容室の開業費用を整理した記事と似た費用項目を扱うことになります。ただし、理容室には美容室とは別の法律・別の資格が適用され、業界としての市場環境も異なります。この2点を押さえずに美容室の情報だけを参考にすると、資格取得や市場判断の面で見落としが生まれます。

「理容師免許」は美容師免許とは別の国家資格

理容師法は、理容を次のように定義しています。

この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。この法律で理容師とは、理容を業とする者をいう。

出典: e-Gov法令検索 理容師法第一条の二(2026-07-22取得)

美容師法が定める「美容」(パーマネントウエーブ、結髪、化粧等により容姿を美しくすること)とは条文上別に定義されており、理容師免許と美容師免許は別の国家資格です。美容師免許を持っているだけでは理容室を開業できず、理容師養成施設での修業・国家試験合格を経て理容師免許を取得する必要があります。開業費用を検討する前に、この資格取得の前提を確認しておく必要があります。

費用項目の分類は美容室と同じ枠組みが使える

理容室の開業費用の項目分類自体は、日本政策金融公庫が理容業・美容業向けに示す資金分類がそのまま参考になります。

【設備資金】店舗取得費(賃貸物件の敷金・保証金等)、内外装工事(コンセプトに合わせた内外装や看板等)、理美容機器(理美容の椅子、機械、染髪台等)、什器備品(テーブルや椅子、棚等)。【運転資金】材料代、家賃、人件費、水道光熱費、広告宣伝費、その他の経費(消耗品、通信費、Webサイトサーバー代など)。

出典: 日本政策金融公庫 理容業・美容業の創業ポイント(2026-07-22取得)

設備(理美容機器・染髪台等)や保健所への「理容所」としての開設届(美容所とは別区分ですが、届出の仕組み自体は共通)まで含め、費目の構成は美容室とほぼ同じです。この点で、美容室の開業費用の記事で解説した内容がそのまま参考になります。

美容業と違い、理容業は施設数が減少傾向にある

費用構造が似ている一方、業界としての市場環境は美容業と対照的です。同じ資料は、施設数の推移を次のように示しています。

美容所の数が269,889軒、理容所は112,468軒となっています。前年度対比では、美容所が5,666軒増加しているのに対して理容所は1,935軒減少しています。

出典: 日本政策金融公庫 理容業・美容業の創業ポイント(2026-07-22取得)

美容所が増加を続ける一方、理容所は減少傾向にあるという対照的な状況です。ただし、この数字だけで理容業を見送るべきとは限りません。同じ資料は、別の指標も示しています。

経済産業省の「第3次産業活動指数」によると、コロナ禍を経て理容業は早い回復を示しているのに対して、美容業は回復が遅れていることが指摘されています。美容業は軒数が増加していますが、競合は激化していることが推測されます。

出典: 同上(2026-07-22取得)

施設数が伸びている美容業ほど、新規参入による競合も激しくなっている可能性があります。理容室として開業を検討する際は、施設数の増減だけでなく、固定客比率の高さという理容業特有の強みも踏まえて、費用対効果を判断するとよいでしょう。

開業初期こそ、固定費を増やさない選択を

資格取得・設備投資という初期費用に加え、業界の競合環境を踏まえると、開業後の月々の固定費はできるだけ抑えておきたいところです。予約管理を紙の予約帳や電話対応だけに頼ると、施術中に電話に出られず機会損失につながったり、後から有料の予約システムへ乗り換える手間が発生したりします。

開業時点から無料で使える予約システムを導入しておけば、次の点で開業初期の運転資金を圧迫しません。

  • 初期費用・月額費用をかけずに、24時間ネット予約を受けられる
  • 指名予約・来店履歴の管理を、追加費用なく整えられる
  • サロン検索サイトの掲載費用(月数万円〜)とは別に、自社の予約導線を持てる

開業前にどの程度の集客・売上を見込めるかを試算しておきたい場合は、損益分岐シミュレーターで家賃・人件費・広告費を入力して確認できます。

まとめ

理容室の開業費用は、費目の分類こそ美容室と共通していますが、理容師免許という別の国家資格が前提になる点、そして理容業が美容業とは異なる市場環境(施設数は減少傾向だがコロナ後の回復は早い)にある点を踏まえて計画する必要があります。開業初期の固定費を増やさない選択として、無料から始められる予約システムも検討してみてください。料金プランはこちらからご確認いただけます。