理容室・バーバー

理容室の『固定客比率の高さ』という強みを、予約の仕組みでさらに活かす

公開日: 2026-07-20

理容室は、他の美容関連業態と比べて固定客比率の高さが特徴とされる業態です。この記事では、その根拠となる公的データと、この強みを予約の仕組みでさらに伸ばす方法を解説します。

固定客比率の高さは理容室の強み

厚生労働省のマニュアルは、業界団体の統計調査にもとづき、固定客比率の高さを理容室の特徴として挙げています。

固定客比率の高さは理容室の強み 理容室は、固定客比率が高いことが大きな特徴となっています。お客様の満足度が高いほど再来店率は高くなり、自然と固定客比率も高まります。

出典: 厚生労働省 収益力の向上に向けた取組みのヒント 理容業編(全国理容生活衛生同業組合連合会理容統計年報、2026-07-20取得)

消費者調査でも、この傾向は裏付けられています。

男性は一度来店すれば固定客となりやすい 以前通っていたお店に行くのを辞めた理由について、男性は「引っ越しや生活の変化で行けなくなったから」以外で特筆的に目立った理由がなく、決まった店に通い続ける傾向があります。

出典: 同上(2026-07-20取得)

つまり、理容室にとっての集客課題には、「新規のお客様にどう来てもらうか」だけでなく、「一度来店したお客様に、いかに違和感なく通い続けてもらうか」も含まれるといえます。客単価が長期的に下落傾向にあるなかで、固定客比率の高さは新規集客に頼らず売上を安定させる数少ない土台のひとつです。

指名予約の仕組みが定着率を左右する

固定客化が進みやすい業態だからこそ、同じ担当者を指名して予約できる仕組みがあるかどうかが、定着のしやすさに直結します。担当者が毎回変わる運用では、お客様が「このお店に通っている」という感覚よりも「この人に切ってもらっている」という感覚を持ちにくくなり、固定客化のポテンシャルを活かしきれません。

  • オンライン予約に担当者指名の項目を設ける
  • 指名した担当者が予約可能な日時のみを表示し、予約のすれ違いを防ぐ
  • 担当者が退職・休職する場合の引き継ぎ方針をあらかじめ決めておく

指名情報・来店履歴の引き継ぎにも監督責任がある

担当者を引き継ぐ際は、お客様の髪型の好み・過去の施術内容といった情報も一緒に引き継ぐことになります。これらは氏名・連絡先と並ぶ個人データであり、事業者には従業者の取り扱いを監督する義務があります。

個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

出典: e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律第24条(2026-07-22取得)

予約システム上でお客様の来店履歴・要望メモを記録している場合、退職したスタッフのアカウントを放置せず速やかに停止することが、この監督義務を実務に反映させる基本的な対応になります。

「行きやすさ」だけでなく技能・提案も評価される

消費者調査では、お店を選ぶ決め手として立地の良さが最も多く挙げられる一方、担当者の技術や提案内容も、年代を問わず一定程度重視されていることが示されています。

担当者の技術や提案については、どの年代も変わらず一定程度求められています。

出典: 同上(2026-07-20取得)

指名予約の仕組みは、単に「予約の取りやすさ」の問題ではなく、お客様が信頼している技術・提案を継続的に受けられるという価値そのものを支える仕組みでもあります。

まとめ

理容室は、他業態と比べて固定客比率が高く、一度通い始めたお客様が離脱しにくいという公的データに裏付けられた強みを持っています。この強みを最大化するには、指名予約の仕組みを整え、お客様が信頼する担当者との関係を継続しやすくすることが有効です。