理容室を選ぶ際、お客様はどのような情報源を頼りにしているのでしょうか。この記事では、厚生労働省の消費者調査データにもとづいて、店選びの決め手となる情報源と、そこから導かれる集客導線の作り方を解説します。
決め手は「お店の外観」と「口コミ・紹介」
厚生労働省のマニュアルが引用する消費者調査は、来店検討時に活用する情報源を次のように示しています。
行くお店を検討する際の情報源は、「お店の外観や外から見える中の様子」や「口コミ」 行くお店を検討する際に活用している情報源は、「お店の外観や外から見える中の様子」が最も多く、「家族や知人等の口コミ・紹介」が次いで多い結果となりました。
出典: 厚生労働省 収益力の向上に向けた取組みのヒント 理容業編(消費者調査、2026-07-20取得)
インターネット上の情報発信を強化する前に、まず「店の外から見える状態」自体が集客導線の一部であるという点を押さえておく必要があります。看板・ガラス越しに見える店内の様子・清潔感は、通りがかった見込み客に対する最初の接点になります。
若年層はインターネット・SNSも重視
年代によって情報源には違いがあります。
20-30代の男性では「インターネットの店舗検索サイト」、「お店のホームページ・SNS」や「スマートフォンで見られる地図」を参照とする傾向がみられました。
出典: 同上(2026-07-20取得)
若年層向けの集客導線については、別記事「理容室の20〜30代男性離れと、フェードスタイルという突破口」でも詳しく解説しています。
口コミ・紹介を後押しする
「家族や知人等の口コミ・紹介」が主要な情報源であることは、既存のお客様との関係づくりがそのまま集客につながることを意味します。前回記事「理容室の『固定客比率の高さ』という強みを、予約の仕組みでさらに活かす」で解説したとおり、理容室は固定客化しやすい業態です。固定客になったお客様が家族・知人を紹介しやすい環境を整えることは、この強みを口コミという形でさらに広げることにつながります。
- 施術後の会話の中で、紹介がしやすい雰囲気を作る(押し付けにならない範囲で)
- Googleビジネスプロフィールの口コミ投稿を、満足度の高いタイミングでお願いする
- 口コミへの返信は丁寧に行い、次の見込み客が閲覧したときの印象を意識する
外観・仕上がり写真の掲載にも配慮する
「お店の外観や外から見える中の様子」を訴求するためにGBPへ店内・仕上がり写真を掲載する際、お客様が写り込む場合は本人への配慮が必要です。
一般的に、本人を判別可能な写真の画像は個人情報には該当しますが、個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)ではないと解されるため、あらかじめ本人の同意を得ずに展示等を行っても、法第27条第1項に違反するおそれはないと解されますが、利用目的を通知又は公表することは必要です(法第21条第1項)。なお、プライバシーの権利や肖像権の侵害に当たる場合もあるため、例えば展示期間を限定したり、不特定多数の者への提供に際しては自主的に本人の同意を得る等の取組が望ましいと考えられます。
出典: 個人情報保護委員会 会社の行事で撮影された写真などを、当社内で展示する場合、写真に写っている本人からあらかじめ同意を得る必要がありますか。(2026-07-22取得)
仕上がり写真は顔が写らない後ろ姿・髪型のクローズアップにとどめる、掲載前に一言確認するといった対応で、外観訴求の効果を保ちながら配慮を両立できます。
予約導線の整備
外観・口コミをきっかけに興味を持ったお客様が、実際に来店するかどうかは、その後の一歩がどれだけ滑らかかにかかっています。電話でのやり取りに抵抗があるお客様でも、オンライン予約であれば空き状況を確認してその場で予約を確定できます。
まとめ
理容室選びの決め手は、インターネット以前に「お店の外観」と「口コミ・紹介」にあることが公的データから確認できます。外観の見せ方を整えつつ、固定客からの紹介が生まれやすい関係を築き、口コミをきっかけにした来店をオンライン予約で確実に受け止める導線を用意することが重要です。