理容室・バーバー

理容室の集客。店舗数が減り続ける市場で、無料でできることから着手する

公開日: 2026-08-07

理容室の集客を考えるとき、前提として押さえておくべき数字があります。理容所の数は減り続けています。

この記事では、その前提を確認したうえで、無料でできることから順に手段と着手順を示します。費用をかける判断は最後です。

この記事でわかること

  • 理容所の店舗数に関する公的統計と、そこから言えること
  • 「集客できない」の原因を3段階に切り分ける方法
  • 無料でできる集客手段と、その公式仕様
  • SNSやMEOを強化するほどポータルに送客する構造と、公式手順での外し方

前提: 理容所は減り、美容所は増えている

日本政策金融公庫の創業支援サイトによると、厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」の集計は次のとおりです。

軒数前年度比新規出店数閉鎖・廃業
美容所269,889+5,66614,9349,268
理容所112,468−1,9352,0043,939

出典: 日本政策金融公庫「理容業・美容業の創業ポイント」(2026-08-07取得)。「閉鎖・廃業」は同ページが「前年度比−使用確認件数」で算出したもの。

同ページは、平成7年以降の推移について美容所数は増加傾向が続く一方、理容所は減少傾向にあるとしています。また経済産業省「第3次産業活動指数」を引いて、コロナ禍を経て理容業は早い回復を示している一方で美容業は回復が遅れていることが指摘されている、とも述べています(出典: 同上)。

この数字から言えること

店舗数は減っているが、需要そのものが同じ比率で消えたわけではありません。

  • 競合店舗は減っている(=地域内での相対的な位置は上がりうる)
  • 一方で新規開業も少ない(=業態としての新陳代謝が鈍い)

やるべきことは、費用をかけた新規獲得競争ではありません。地域で探している人に確実に見つけてもらうことと、既存客の来店間隔を保つことです。どちらも無料で始められます。

「集客できない」を3段階に切り分ける

段階1: 存在を知られていない

「地域名 理容室」「地域名 バーバー」で検索して出てこない。

理容室では「バーバー」での検索も確認してください。若い層は理容室という語で検索しないことがあります。

段階2: 知られているが選ばれていない

出てくるが選ばれない。判断材料が足りない状態です。理容室で足りなくなるのは次の3つです。

  • 料金(カット・シェービング・カラーの各料金)
  • 所要時間
  • 予約が要るのか、飛び込みでよいのか

3つ目は理容室固有です。飛び込み可の店でも、それが書かれていないと「予約しないと入れない店かもしれない」と思われます。

段階3: 選ばれたが予約できていない

理容室で最も多いのがここです。

  • 営業時間・定休日の情報が古い(Googleに載っているのが数年前の情報)
  • 予約が電話のみで、施術中は出られない
  • 予約リンクが未設定

段階3は費用ゼロで直せます。まずここから確認してください。

無料でできる集客手段

手段1: Googleビジネスプロフィール(無料・最優先)

Googleは、ローカル検索結果のランキングについて次のように公表しています。

ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。

出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(2026-08-07取得)

同ページはオーナー確認、情報の充実(住所・営業時間と特別営業時間・業種・駐車場やWi-Fiなどの属性)、口コミへの返信、写真や動画の追加を推奨しています。また「Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」とも明記しています(出典: 同上)。

理容室で最優先なのは、営業時間と定休日の正確さです。当日思い立って来店する層が一定いる業態で、情報が古いと、開いているのに「営業時間外」と表示されて機会を失います。特別営業時間(祝日・年末年始)の設定も忘れないでください。

次に効くのが属性です。駐車場の有無は、車で移動する地域では来店可否を直接決めます。

やること(順に):

  1. オーナー確認を済ませる
  2. 営業時間・定休日・特別営業時間を正確にする
  3. 属性(駐車場・バリアフリー等)を埋める
  4. 写真を追加する(外観・店内・仕上がり)
  5. 予約リンクを設定する(後述)
  6. 口コミに返信する

手段2: 予約を受けられる状態を作る(無料枠あり)

一人店では、施術中に電話に出られません。その間の問い合わせは、そのまま失注になります。

24時間予約を受けられるページがあれば、この失注は消えます。無料プランのある予約システムもあります(美容室の予約システム比較に8サービスの料金と無料枠を並べています。比較対象は理容室にもそのまま当てはまります)。

飛び込み中心の店でも、「予約もできる」状態にしておく価値があります。予約したい層と飛び込みたい層は別なので、片方を切る必要はありません。

手段3: 会計時の次回予約(無料)

市場が縮んでいる前提では、既存客の来店間隔を保つことが最も効率的です。

会計時に「次は◯週間後くらいですね」と伝え、その場で日付を決めます。決まらない場合も、その場で予約ページをブックマークしてもらうところまでやってください。

手段4: 口コミ(無料)

Googleはランキング改善のヒントとして口コミへの返信を挙げています(前掲)。返信は短くて構いません。継続することのほうが重要です。

見落とされている構造: 集客するほどポータルに送客している

Googleビジネスプロフィールは、予約リンクを追加でき、カテゴリごとに最大10個まで設定できます(出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ローカル ビジネス リンク」、2026-08-07取得)。

ポータルサイトに掲載している店では、このリンクがポータルを指していることがあります。自分で設定した場合だけではありません。

Google 検索と Google マップでは、特定のサービスへのリンクがビジネス プロフィールに自動的に表示されることがあります。こうしたリンクは、サードパーティ プロバイダによって提供、更新されるか、Google の自動データに基づいて生成されます。

出典: 同上(2026-08-07取得)

この状態でプロフィールを整えるほど、自力で作った露出がポータル経由の予約になります。

直し方(公式手順)

  1. 優先リンクを設定する — 公式ヘルプは「プロフィールに複数のリンクがある場合は、上部に表示する優先リンクを『ビジネス優先』として設定することができます」としています(出典: 同上、2026-08-07取得)
  2. 不要な第三者リンクの削除をリクエストする — 同ヘルプに「プロバイダを削除」の手順が記載されています

ポータルをやめる話ではありません。掲載を続けたままでも、経路の内訳が正しく見えるようになります。掲載費が見合っているかの判定手順はホットペッパービューティーの掲載料はいくらかに、年間の差額の試算は損益分岐シミュレーターにまとめています。

着手順

やること費用効果が出るまで
1予約リンクの向き先を確認・整理する0円即時
2Googleビジネスプロフィールの営業時間・定休日・特別営業時間を正確にする0円即時
3属性(駐車場等)と写真を埋める0円数週間
4料金・所要時間・予約要否をページに明記する0円即時
524時間予約を受けられる状態にする0円〜即時
6会計時の次回予約を習慣にする0円即時
7口コミへの返信を習慣にする0円数か月
8経路別の予約内訳を3か月記録する0円3か月後に判断材料

1〜7はすべて無料です。費用をかける判断は8の記録が揃ってからにしてください。

記録が無いと判断できない

3か月分の記録を取ってください。表計算で足ります。

記録する項目なぜ必要か
総来店数母数
飛び込み/予約の内訳予約導線を強化する価値の大きさが分かる
新規/再来の内訳集客の課題か継続の課題かを分ける
経路別(Google/ポータル/紹介/通りがかり)どこを強化すべきかが決まる

2つ目は理容室で特に意味があります。飛び込みが9割なら、投稿を増やすより看板と営業時間表示のほうが効きます。

まとめ

  • 理容所は112,468軒で前年度比 −1,935軒、閉鎖・廃業が新規出店を上回る(令和4年度衛生行政報告例の集計)
  • 一方で第3次産業活動指数では理容業は回復が早いと指摘されている
  • 費用をかけた新規獲得競争より、見つけてもらう導線既存客の来店間隔が効率的
  • 「集客できない」は3段階。理容室は段階3(営業時間が古い・電話に出られない)が最も多い
  • GBPは無料で最優先。営業時間・定休日・特別営業時間の正確さが当日来店に効く
  • GBPは第三者の予約リンクが自動表示されることがある。優先リンクの設定とプロバイダの削除で整理できる
  • 記録は飛び込み/予約の内訳から。ここで打ち手が変わる

よくある質問

理容室の集客で何から始めるべきですか?

Googleビジネスプロフィールです。無料で、「地域名+理容室」「地域名+バーバー」で検索した人を受け止められます。Googleはローカル検索のランキングが主に関連性・距離・知名度で決まると公表しており、情報の充実が表示機会に効くとしています。

理容室の市場はどうなっていますか?

日本政策金融公庫の創業支援サイトによると、厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」の集計で理容所は112,468軒、前年度比で1,935軒の減少です。新規出店2,004軒に対し、統計から逆算した閉鎖・廃業が3,939軒とされています。美容所が増加しているのと対照的です。

市場が縮んでいる中で何をすべきですか?

新規獲得の競争に費用をかけるより、既存客の来店間隔を保つほうが効率的です。あわせて、店名や地域名で検索した人を確実に受け止める導線(Googleビジネスプロフィールの予約リンク)を無料で整えてください。

SNSを頑張るとポータルサイトに送客してしまうというのは本当ですか?

予約リンクの向き先次第です。Googleビジネスプロフィールは第三者の予約リンクが自動的に表示されることがあると公式ヘルプに明記されています。優先リンクの設定とプロバイダの削除で整理できます。

予約システムは必要ですか?

来店が飛び込み中心なら急ぎません。ただし施術中に電話に出られない一人店では、その間の問い合わせがそのまま失注になります。無料プランのある予約システムもあるため、まず費用ゼロで試せます。

集客できないときは何を疑えばいいですか?

順に3つです。存在を知られていない、知られているが選ばれていない、選ばれたが予約できていない。理容室では、営業時間と定休日の情報が古いままになっているケースが3番目の原因になります。