まつエク

まつエクサロンの競合が増える中で、デザイン提案力をどう伝えるか

公開日: 2026-07-21

まつ毛エクステは個人でも開業しやすい業態である分、同じエリアに複数の店舗が並ぶこともあります。価格だけで比較されると体力勝負になる中、デザイン提案力は分かりやすい差別化の軸になります。開業にあたって必要な資格・届出については、別記事「まつ毛エクステの健康被害相談は増加傾向」もご確認ください。

「本数」だけでは伝わらない違い

まつ毛エクステのメニュー表を「80本」「120本」のように本数で区切る構成にすると、同じ本数でも、まつ毛の生え方・目の形に合わせたデザイン提案ができるかどうかで、仕上がりの印象は大きく変わることが伝わりにくくなります。本数という分かりやすい指標だけで比較されると、価格の安さが決め手になりやすくなります。

施術例をビジュアルで見せる

デザイン提案力は、言葉で説明するより、実際の施術例を見てもらう方が伝わりやすい要素です。

  • 目の形・要望(ナチュラル/盛り/キャットライン等)ごとの施術例をSNSや予約ページに掲載する
  • ビフォーアフターだけでなく、「どんな要望に対してこのデザインを提案したか」という文脈も添える
  • お客様の許可を得たうえで、実際の仕上がり写真を蓄積していく

本人と判別できる写真の投稿については、個人情報保護委員会が次のような考え方を示しています。

一般的に、本人を判別可能な写真の画像は個人情報には該当しますが、個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)ではないと解されるため、あらかじめ本人の同意を得ずに展示等を行っても、法第27条第1項に違反するおそれはないと解されますが、利用目的を通知又は公表することは必要です(法第21条第1項)。なお、プライバシーの権利や肖像権の侵害に当たる場合もあるため、例えば展示期間を限定したり、不特定多数の者への提供に際しては自主的に本人の同意を得る等の取組が望ましいと考えられます。

出典: 個人情報保護委員会 会社の行事で撮影された写真などを、当社内で展示する場合、写真に写っている本人からあらかじめ同意を得る必要がありますか。(2026-07-22取得)

SNSへの投稿は「不特定多数の者への提供」にあたるため、法律上の義務の有無にかかわらず、施術後に一言確認を取り、同意を得た範囲でのみ掲載する運用にしておくことが望ましい対応です。

モニター施術での投稿依頼には開示のルールがある

デザイン提案力を伝えるために、モニター価格での施術とSNS投稿をセットにする方法は有効ですが、2023年10月1日から、対価を伴う投稿でありながら広告と分からない表示は景品表示法違反になっている点に注意が必要です。

広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。(中略)※広告には、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示するものも含まれます。※インターネット上の表示(SNS投稿、レビュー投稿など)だけでなく、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌等の表示についても対象です。

出典: 消費者庁 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります(2026-07-21取得)

規制の対象は投稿を依頼した事業者(サロン側)であり、投稿する個人ではありません。モニター価格での施術例を投稿してもらう際は、「モニター」「PR」など対価を伴う投稿であることが分かる表記を入れてもらうよう、依頼時点で伝えておくことがリスク回避になります。

カウンセリングで「本数」以外の軸を提示する

予約段階から「本数」だけでなく、「なりたい印象」を選べるようにしておくと、お客様自身がデザインの違いを意識しやすくなります。

  • メニュー名を「120本」ではなく「ナチュラルボリューム」「キャットライン」のように、印象で表現する
  • カウンセリング項目に、普段のメイク・なりたい印象のヒアリングを組み込む
  • 施術前に、目の形に合わせた提案理由を説明する(例: 「目尻が下がって見える目の形なので、目尻側を長めにしてキャットラインの印象に近づけます」)

予約ページのメニュー説明に、本数と一緒に「どんな印象になるか」を一言添えておくと、来店前の期待と仕上がりのズレも防ぎやすくなります。

まとめ

まつ毛エクステの競合が増える中で、本数という分かりやすい指標だけで比較されると、価格競争から抜け出しにくくなります。施術例をビジュアルで見せる際はステマ規制を踏まえた開示を行い、カウンセリングで「なりたい印象」を軸にした提案をすることが、価格以外でお客様に選ばれる理由を作ります。