まつ毛エクステンションは、目元という特にデリケートな部位に、接着剤と人工まつ毛を用いる施術です。技術力だけでなく、衛生管理そのものが事業の信頼性を左右します。
健康被害の相談は増加している
千葉県は、2026年4月に更新した公式ページで、まつ毛エクステによる健康被害について注意喚起を行っています。
最近、接着剤で人工まつ毛をつける「まつ毛エクステンション(まつ毛エクステ)」が流行していますが、まつ毛エクステによる健康被害の相談や苦情も年々増加しています。被害例としては、まぶたの腫れ、目の充血や痛み、涙が止まらないなどで、中には、眼科を受診したら角膜に傷が付いていると言われたケースも報告されています。
出典: 千葉県 まつ毛エクステンションによる危害防止について(2026-07-21取得)
角膜損傷という報告例もあることから、まつ毛エクステの施術リスクは軽視できるものではありません。
美容師資格と衛生措置の両方が求められる
同ページは、施術者の資格要件と、事業者が守るべき衛生上の義務を明記しています。
まつ毛エクステは厚生労働省により「美容行為」にあたるという見解が示されており、施術には美容師の資格が必要です。(中略)目元というデリケートな部分で接着剤や器具を使用するため、施術者は、危害が発生しないよう細心の注意を払わなくてはなりません。健康被害を防ぐためにも、営業者の方は美容師法を遵守し、適正に美容業務を実施してください。
出典: 同上(2026-07-21取得)
厚生労働省自身のページでも、まつ毛エクステンションが美容行為に含まれることが明記されています。
美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされており、染毛やまつ毛エクステンションも美容行為に含まれる。
出典: 厚生労働省 美容師法の概要(2026-07-21取得)
美容師資格を持つスタッフが施術することは、法令遵守という側面だけでなく、健康被害を防ぐための実務的な前提でもあります。
お客様への説明も重要
健康被害が疑われる場合の対応についても、行政は具体的に案内しています。
まぶたが腫れたり、目の痛みや充血が続いたり、涙が止まらないなどの健康被害が出たら、すぐに眼科などを受診し、その際はまつ毛エクステをしたことを医師に伝えましょう。
出典: 千葉県 まつ毛エクステンションによる危害防止について(2026-07-21取得)
施術後に何らかの異常があった場合の連絡先・対応方針を、あらかじめお客様に案内しておくことは、トラブル時の対応を迅速にするだけでなく、お客様に安心感を与える情報提供にもなります。予約完了メールや来店時の一言に「施術後、まぶたの腫れや目の痛みが続く場合は早めに眼科を受診し、当サロンでの施術を伝えてください」という一文を添えておくと、伝え忘れを防げます。
まとめ
まつ毛エクステの健康被害相談は増加傾向にあり、角膜損傷のような重篤な事例も報告されています。厚生労働省・千葉県いずれの公式情報も、まつ毛エクステが美容行為に該当し美容師資格が必要であることを明記しています。資格を持つスタッフによる施術と、接着剤・器具の衛生管理を徹底することは、法令遵守であると同時に、事業の信頼性そのものを支える土台です。施術所としての届出義務については、次回の記事で解説します。