エステサロンは、別記事で解説したとおり美容師法の対象外で、資格・美容所届出のいずれも不要な業態です。ただし、コース契約を扱う場合は特定商取引法上の契約規制が適用されるため、ネイルや脱毛と同様に「届出は不要でも準備すべきこと」があります。
ステップ1: 資格の確認——不要
エステティックの施術は美容師法の対象外で、施術者に美容師免許は必要ありません。開業に必要な国家資格はありませんが、技術力を示す手段として民間資格の取得を検討する場合は、この段階で情報収集しておきます。
ステップ2: 資金計画
日本政策金融公庫は、理容業・美容業向けに次のような資金分類を示しています。
【設備資金】店舗取得費(賃貸物件の敷金・保証金等)、内外装工事(コンセプトに合わせた内外装や看板等)、理美容機器(理美容の椅子、機械、染髪台等)、什器備品(テーブルや椅子、棚等)。【運転資金】材料代、家賃、人件費、水道光熱費、広告宣伝費、その他の経費(消耗品、通信費、Webサイトサーバー代など)。
出典: 日本政策金融公庫 理容業・美容業の創業のポイント(2026-07-22取得)
別記事で解説したとおり、エステサロンは扱うメニューの幅(痩身・フェイシャル・ボディケア等)が広いほど機器投資が積み上がりやすい業態です。この分類を参考にしつつ、主力にしたい施術領域を絞って機器を選定します。
ステップ3: 物件・立地選び
美容所の施設基準が適用されないため、施術用ベッドと機器を置けるスペースを確保できれば開業できます。
ステップ4: 届出・許認可の確認——保健所届出は不要
エステサロンは美容室・理容室のような「美容所・理容所」としての保健所届出の対象外です。個人事業主としての開業届、従業員を雇用する場合の労働保険加入手続きなど、一般的な事業開始の手続きを確認します。
ステップ5: 契約書面の準備——特定継続的役務提供への対応
保健所届出が不要な代わりに、コース契約を扱う場合は特定商取引法上の準備が必要です。
いわゆるエステティック 人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと(いわゆる美容医療に該当するものを除く) 期間: 1月を超えるもの 金額: いずれも5万円を超えるもの
出典: 消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供(2026-07-22取得)
契約期間が1か月・金額5万円を超えるコースを扱う場合、概要書面・契約書面のひな形をこの段階で準備しておく必要があります。中途解約の精算ルールについても、開業前に確認しておくことをおすすめします。
ステップ6: 設備・集客・予約の準備
機器・内装の準備と並行して、集客導線を整備します。
- Googleビジネスプロフィールの登録・整備
- コース内容・料金を明記したメニュー表の準備
- 予約システムの導入(コース契約の消化状況を管理できるものが望ましい)
予約システムは、開業初日から電話を取り逃さずに予約を受けられる体制を整えておく重要な準備項目です。無料アカウントを登録しておけば、開業準備と並行して予約ページを準備しておくことができます。
ステップ7: 開業
契約書面の準備、設備の設置、予約ページの公開を終えたら開業です。広告表現については、誇大広告の記事も参考にしてください。
まとめ
エステサロンの開業準備は、資格・保健所届出が不要という低いハードルがある一方、コース契約を扱う場合は特定商取引法に対応した契約書面の準備が必要です。資金計画・物件選び・機器選定・契約書面の準備・集客と予約の準備を経て開業に進む流れを押さえておくと、準備の抜け漏れを防げます。開業費用の詳細シミュレーションは損益分岐シミュレーターで確認でき、料金プランから予約システムの導入も検討いただけます。