脱毛サロン

『永久脱毛』と広告できるのは医療機関だけ——脱毛サロンの広告表現の注意点

公開日: 2026-07-20

「安全に脱毛できます」「効果は永久です」——脱毛サロンの広告表現の中には、実は問題視されているものがあります。国民生活センターが実際に行った広告調査をもとに、何が問題とされたのかを確認します。

危害相談は5年間で680件

国民生活センターは、2012年度から2016年度にかけて、脱毛施術による危害相談を集計しています。

PIO-NETには、エステで脱毛を受けて危害が発生したという相談が約5年間で680件寄せられており、中には、医師法等に抵触するおそれがある施術を受けたという相談もみられました。

出典: 国民生活センター なくならない脱毛施術による危害(2026-07-20取得)

危害の内容は「皮膚障害」「熱傷」が多く、エステでは57.3%が医療機関で治療を受けるに至っています。この統計は、脱毛施術に一定のリスクが伴うことを前提に、広告やお客様への説明を設計する必要があることを示しています。

広告調査で指摘された2つの問題点

同じ調査では、エステの広告・ホームページを対象にした調査結果も公表されています。

医師法に抵触するおそれのある施術をイメージさせる表現がみられました。危害もなく、安全な施術であるとイメージさせる表現がみられ、消費者に誤認を与えるおそれがありました。

出典: 同上(2026-07-20取得)

指摘は大きく2つに分けられます。1つは、前回記事「『エステ用の機器だから大丈夫』は誤解」で解説した、毛根を破壊する施術(医療行為)をイメージさせる表現。もう1つは、危害の可能性に触れず「安全」であるかのように見せる表現です。

「永久脱毛」はエステでは実現できない効果

国民生活センターは、消費者へのアドバイスとして次のように述べています。

エステで受けることのできる脱毛と医療機関で受けることのできる脱毛の違いをよく理解しましょう。

出典: 同上(2026-07-20取得)

エステで提供できるのは、毛根を破壊しない一時的な除毛・減毛です。「永久脱毛」という表現は、毛根を破壊する医療機関の施術を指す言葉であり、エステの施術結果を表すには適していません。

広告表現で気をつけたいこと

  • 「永久脱毛」「永久保証」といった、医療機関の施術結果を示す表現を使わない
  • 「安全です」と言い切るのではなく、施術のリスク(皮膚への刺激等)についても事前に説明する
  • 効果を誇張せず、一時的な除毛・減毛であることを正確に伝える

「永久脱毛」表示は景品表示法上の問題にもなりうる

「永久脱毛」という表現がエステの施術実態と食い違う以上、これは景品表示法が禁止する優良誤認表示の問題としても捉える必要があります。

事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すもの(中略)であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。

出典: 消費者庁 優良誤認とは(2026-07-22取得)

国民生活センターが指摘する「消費者に誤認を与えるおそれ」のある表現は、この優良誤認表示の考え方とも重なります。広告文言を作成・チェックする際は、消費者トラブルの観点だけでなく、この2つの規制を併せて確認しておくと、リスクを見落としにくくなります。

まとめ

脱毛サロンの広告表現は、消費者の誤認を招かないという観点から国民生活センターに調査されています。「永久脱毛」を謳わず、安全性を過度に強調しないことが、お客様との信頼関係とトラブル防止の両方につながります。